北鎌に行くに当って、やりたかったのは、北鎌尾根区間を出来るだけ軽装、スピーティーに抜けること。体力、登攀能力ともに高いごましおさんはこのルートのパートナーとしてはベストだろう。
北鎌尾根へのアプローチとしては、3通りほど考えられる。
上記の目的のためにはベースキャンプを張り、そこをベースにして純粋に日帰り装備のみ持ってり周回できるコースが望ましい。
アプローチの1つは湯俣から沢伝いに入るルート。ただ、このルートでは日帰り周回はかなり難しい。
もう1つは、大天上岳から貧乏沢を下降するルート。このルートは北鎌尾根に入る最短路でおそらくメインルートと思われ、十分に日帰りは可能だが、北鎌尾根を終えた後で東鎌尾根を延々歩くのはちょっといやである。
そこで今回採用したルートは槍沢のババ平にキャンプを張り、水俣乗越を超えて天上沢を下降、北鎌沢からコルに上がって北鎌尾根を登り、登頂後はまたベースのババ平に戻るルートだ。
コルに立つまでに1100mの登りと、700m近い下降をこなさなくてはならないが、登頂後は平和な道を楽々テン場に戻ることが出来る。
今日はババ平までのアプローチのみ。
上高地をのんびりと9:30に出発。関東の南海上に近づきつつある台風の影響が心配であったが、今のところすこぶるいい天気である。
実は、上高地は今まで河童橋まで観光で来たことがあるだけだった。
長い単調な水平歩きがあんまり好きではないのも理由の一つ。

ただ、時々このようなはっとするような景色に出会うことができ、単調な歩きを楽しいものにしてくれた。
ババ平には14時ごろ到着。テントを設営しのんびりとした夕食を取る。
天気が一番の心配であったが、なんと、この場所はDocomoの携帯がつながった。おかげでラジオよりずっと詳しい天気の情報を入手することが出来た。槍ヶ岳付近は曇り〜曇り時々晴れ、天気図を見ても、高気圧に押されて台風の影響はあまりなさそうだ。前線も今日以上に下がりそうで、風も弱そうであった。これはGo!だね。
明日は早い。6時過ぎにはすでに寝る体制を整えた。ただ、週はじめから引いている風邪のせいで咳が止まらず、ちょっとしんどい夜を過ごした。
ごましおさんは、うるさかっただろうな。ごめんなさい。
続く