2007年09月01日

熊飛舎での一夜

前鬼遡行の後は、北山川に向かって移動、その夜は北山川のツーリング開始点にもほど近い、紀和町の山奥の熊飛舎(ゆたかや、と読む)に一晩泊めていただくことになった。

ここのご主人、日本各地を放浪ののち、この場所が気に入って住み着き、農業を行いつつ、子供のころからの夢であった「自分の手で鉄道を引く」ということを手作りでコツコツと進めているという何ともユニークな人物とのこと。

飲みながらいろいろ話をしたのだが、(いい意味で)子供のような夢を思いっきり真顔で語るひとで、こんなに面白い人物には久しぶりに会った。

なんでも、線路は、整地と枕木の敷設はすでに完了しており、来月には機関車が2両、やってくるとのこと。動き出したら、「個人所有としては、日本で唯一の農業用鉄道になる」というのだ。
ちなみに、社名?事業者名?は「熊野簡易軌道」ということ。以後「くまかんさん」と呼ばせていただく。
鉄道なんて、トンでもなく金がかかるのでは、と思うところだが、線路は「同じような志を持って、中古線路を集めていたが、家族の反対にあって断念した人」から農作物代のみで譲り受け、機関車2両も、やはり同じような夢を持って、何台もの機関車とトロッコを所有していた人が、その本気度に打たれて譲ってくれることになったらしい。うーん、強い思いは重要なんだなあ。
もちろん、なんぼ物を中古で譲ってもらったとしても、維持費も、工事費もかかる。
そのために、本業の農業でも、

20070901udon.jpg
こんな商品開発をしてみたり(3つ買って帰ったが、うまかった)
近々、正式に農家民宿の認可をとって営業する計画もあるようで、いろんなビジョンを語ってくれた。単なる世捨て人ではない。
鉄道も、開通したら、いくらか運賃をとって一般の人も乗せてくれるとのこと、完成したら、ぜひ乗りに行こう!

くまかんさんは、鉄道マニアなのだが、どちらかというと一般の旅客鉄道よりも、かつて日本中にあったが、次々に姿を消していった各地の森林軌道や、トロッコなどへの興味が強いようだ。先日、遡行した池郷のゴルジュのただなかで、古いトロッコの跡を見た、と言ったら、目を輝かせていた。
そして「どうしても行ってみたい場所がある」という。
その場所とは、大杉谷森林軌道の上部軌道。
この上部軌道は、その下の部分とは索道(ロープウェイ)のみでつながっており、この森林鉄道が下部から先に廃止されたため、おそらく30年前の機関車や線路などが、そのまま放置されてるのでは、ということである。また、大変厳しい場所にあるため、近年その場所に到達した、という報告が見たことがないとのこと。
一度、索道の起点までは行ったそうだが、大杉谷の深い渓谷に阻まれ、その先は断念したらしい。
僕は、鉄道ファンではないのだが、このような探検話は大好き。次に捜索に行くときは、協力することを約束した。

20070901senro.jpg
翌朝、鉄道を見せてもらう。
線路予定地は、くまかんさんの畑の間を縫うように伸びており、総距離0.15Km。

20070901senro2.jpg
途中、木の電柱に、裸電球の電灯と徹底的にこだわりが見られる。
「ここに駅を造るんです」て言うようなことを目を輝かせて語るくまかんさんは、さながらNゲージで遊ぶ子供が、激しくスケールアップしたようなものか(笑)。ちなみに、画像中の黄色いシャツの方がくまかんさん。

これは、再訪しないわけにはいかなくなってきたなあ。
posted by S.A at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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