「自力で海を越えて島に渡る」という魅力的なシチュエーションを安全に楽しむことができるうえ、漕ぎ手以外も伴走船に乗れるので実は子連れファミリーでも参加しやすい。昨年に引き続き、往復交替で漕ぐこととし、家族で参加してきた。
安全に、といっても往復漕げば40kmくらいはあるし、外海に開いた湾の入り口を漕ぎ渡るので、それなりに経験は必要である。
朝9時に現地へ。お友達うちでは、みつまたさんと、のりえちゃんが参加していた。

昨年はただおんぶ紐に背負われているだけだったYO君であるが、どこでも走りまわり、登りまくる今年は、念のためライフジャケットを着用することにした。

11:00出艇。雨は止む気配がなく、風も結構ある。

普段はとても穏やかな菅島と答志島の間も、かなり波立っており、伴走船もかなり揺れている。Yo君、今のところ元気そうだけれど、この先大丈夫かな?

とはいえ、このイベントの参加者はこのくらいは問題なし。1時間半ほど漕いで、菅島東端のしろんご浜に到着した。ここで昼食休憩だ。休憩中、とても寒くパドリングジャケットを着てくるべきだったと後悔した。
菅島から先は、さらに波も高くなる。僕は、荒れた海の経験はそれほど多くはないけれど、波頭の崩れた波ではないため、十分楽しめるレベルの荒れ方だ。次々に来る波に合わせたパドリングを楽しむ。
僕の艇は、軽快なかわり安定感はそれほどなく、ラダーもないので、風と波が強いとちょっとつらいのだが、漕いでいるうちに波のてっぺんに乗った状態をうまく使って方向維持ができるようになった。これは面白い。
視界はいまいちで、晴れた日なら楽勝で見える神島の姿は全く見えない。
ただ、まだ経験の浅いのりえちゃんは、結構この状況はつらいようだ。実際、時々腹を見せて浮いているいも出てくるようになった。
ようやく、霧の向こうに神島の姿が見えた。今日の視界なら、見えれば後はすぐだろう。…しかしそう思ったのは甘かったのだ。
なんか、島の姿が見えてから、一向に近付いている気がしない。そして、海上にあるブイを通過してがっくりする。強い向かい風と海流のせいか、ほとんど歩くようなスピードでしか前に進んでいないのだ。
遅れたり、ひっくり返った艇を待っているうちにも、明らかに島の姿が遠ざかるのがわかるくらいだ。こんなペースでホントに着けるのか?と思っていると、みつまたさんが後ろから上がってきて、のりえちゃんがリタイヤしたと告げる。
主催者も、遅れた艇や沈した艇は即回収と決めたようだ。トライアルならぬサバイバルの様相を呈してきた。文字通り、漁船に水揚げされた艇が、次々と神島に向けて輸送されていく。20艇以上の、大漁だったそうな(笑)。
神島に近づくにつれ、更に向かい風は強くなってきた。パドルが風であおられてつらい。
今シーズンのシーカヤック初めがこれかよ〜と悪態をつきつつ、僕も終盤はただひたすら漕ぐのみ。波を楽しむ余裕もなくなってきた。何度か波頭が崩れた波の直撃を食らって、ひやりとする。
17:00過ぎ、実にふだんの年の倍以上の時間をかけて、神島に到着した。たぶん個人のツアーだったら、出艇をためらうか、菅島あたりで引き返しているコンディションだっただろう。主催者の方も、20回やってきて今回が一番大変だったと言っていた。この状況で漕ぐことができて、いい経験になった。
しかし、シーカヤックでこんなにしんどかったのは、以前伊豆で海が荒れて以来だなあ
伴走船も、揺れ揺れで大変だったらしい。ただ、Yo君は爆睡していたとか。

このイベントの第2の楽しみ、海の幸には、今年も大満足であった。