2007年04月08日

天安散策&独立記念館見学

さて今日は、韓国に来て初の休日。
「地球の歩き方」であまりに軽い扱いの天安(チョナン)の名誉のため(?)天安周辺で面白そうなところを探すことにした。

天安郊外に「独立記念館」というものがある。日本統治時代に行われた重要な独立闘争である三・一独立運動が特にこの地で激しく行われたようで、韓国独立への過程において、重要な地であったからだろうか。また、独立運動中の象徴的な人物である柳寛順の出生地も、ここ天安である。

施設の性質からして、あまり外国人向けには考えられていない可能性もある。
しかし、この記念館、学校行事などで行くため韓国人のかなりの割合の人が訪れている場所だそうではないか。これからしばらくかかわることになる韓国を知るために、行ってみるのも悪くないと考えた。天安周辺の観光地は、おおむね駅からバスで行けるようだ。ホテルから駅までは徒歩圏内。ぶらぶらと歩いていく

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街頭の柱などに刻まれているのはぶどう。天安周辺の特産品でもあるようだ。秋に来たら、おいしい思いができるかな?
余談だが、現地の人に聞いた話では韓国では信号無視の車などを写真にとって通報すると、懸賞金がもらえる制度があるらしい。最もこんな密告みたいなことをする人は少数のようだが、それを聞いてから交差点付近でカメラを構えるのはちょっと気を使った(笑)

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昼ごろの出動なので、駅周辺の食堂で昼食。トッポッキの一種のようだ。うまかったが韓国に来て食べたものの中で一番辛かった。普段は、地元の人が案内してくれたところで食べているのだが、手加減してくれていたのかも。

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駅周辺では、あちこちでこのような一口サイズの胡桃をかたどったお菓子が売られている。どうやら天安名物のようだ。タイ焼きみたいな生地に、胡桃の実が入っており、中の餡も上品な甘さでとてもおいしい。

駅から正面に少し歩いたところのバス乗り場から、400番台のバスが独立記念館に行く。バスの値段は料金箱の一番右上に書かれている料金が大人料金らしい。この路線は1500ウォンであった。おつりが出ないので(別のところで、一度乗車拒否された。)小銭を用意して乗らなくてはならない。

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バス30分弱で到着。すごい。これは思った以上に広大な施設だ。全部見るには一日がかりだろう。今回は展示エリアがしっかり見れればいいか。

その前に、手前にある統一念願の丘というところにレンギョウ、モクレン、つつじなどが咲く坂道を通ってあがってみる。

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丘の上にあるモニュメント。届きそうで届かない6本の腕は、何を象徴するか。

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展示エリアの手前には、ごらんのようにとっても愛国的な空間。う〜む。この中に入っていっていいものか。

展示エリアは7つの建物からなる。古代朝鮮から始まり、日本の統治時代前後、独立闘争の紹介というように展示は進んでいく。

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はじめの民族伝統館は古代〜中世の展示だ。

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心配していた展示であるが、ご覧のとおり、4ヶ国語で書かれ、外国人にもしっかり見てもらおうという方針のようだ。ちなみにこれ、日本の教科書にも載っている(少なくとも、僕の習ったものには)広開土王の碑文。
このあたりは日本史と交わる「点」の部分しか知らないところなので、なかなか面白い。ただ、地図などを使った展示や、全体としての流れをつかむための年表などがないため、展示のつながりなどが外国人的にはちょっとわかりにくいところがあった。

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おお、これなら知っている。李舜臣の亀甲船ではないか。

第2の展示館は近代民族運動館。日本の支配が始まる前後の時代の話だ。このあたりから、時々日本人的にはショッキングな写真や展示も出てくる。
自分自身もその一人だが、日本人は、このあたりの時代の流れを知らなさすぎるよなあ。「韓国併合」なんて、いかにも「併合」などというオブラートに包んだ言葉で、企業の吸収合併くらいの感覚で受け取ってしまうようなさらっとした教わり方をした記憶がある。
でも、実際はその影には、激しい抵抗があって多くの血が流れたこと。日清戦争や日露戦争なども、いかにも清とロシアとしか戦争していないような気であったが、その際に韓国を踏みにじっていたこと。そんな、考えれば当然わかることにも、改めて気づかされることとなった。
だいたい、「大化の改新」の年号を言える日本人は多いと思うが、「韓国併合」の年号を言える日本人がどれだけいるのだろう。日本史の授業って、古い時代ほどみっちりやって、近代ほど駆け足だった。(最近のは知らない)。大事な順番は、どう考えても逆ではないか。古代史なんてさらっとやってくれれば十分。歴史教育はいったん近代史から初めたほうがいいんじゃないかと思うが、どうだろう。

第3の展示館は、日帝侵略館。日本支配中の、精神的、文化的、肉体的弾圧の展示だ。詳細は書かないがここの展示は結構見るのはきついものもある。もっとも
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というのが趣旨だそうだから、ここはしっかり見ておこう
なお、この展示館についてはたとえば「外国人が見た場合、誇張も多いその内容に賛否両論もあるだろうが」(「地球の歩き方」による)といった記述も見受けられる。
僕は、展示の正確性について判断できるほど知識はないのだが、「誇張や歪曲があるとはあまり思えない」というのが正直な感想だ。
わずかな知識からいえることとして、たとえば先にあげた柳寛順。殉国する過程の勇敢な行いや、それに対する日本の残虐な仕打ちが、教科書や子供向けの伝記などにも書かれ、「独立運動の象徴」的な扱いを受けている人物だ。ここ、天安の出身者でもあり、展示内容として大々的に扱われてもおかしくない。しかし一方で、象徴であるが上の「誇張されすぎ」を韓国内でも再考する動きがあるようだ。
で、ここの展示はどうか。巷で言われている英雄譚など一切なく、「デモに参加して、両親を銃撃でなくし、本人も投獄されて獄中で殉国」ていどのきわめて簡潔な説明であった。
全体として、大きな事実と、韓国側から見て確実な事を扱い、細かい事実や数字など、是非を問われるようなことはあまり突っ込んだ展示をしていないように見受けられた。これは方向性としては正解だと思う。

第4の展示館は、三・一運動を単独で扱った展示。なお、なぜかここから先は展示館入り口に写真禁止が明示されていたので、写真はない。(それ以前の展示館も念のため再確認したが、そのような明示はなかった。中で撮っている人たくさんいたし。)

第5、第6と、は独立戦争館、社会・文化運動館と続く。日本への抵抗運動をいかに組織したかといったことや、ここの運動、事件にターゲットをあてた展示だ。

最後は円形劇場。ここは「独立記念」色はあまりない、楽しいエンターテイメントだ。

全体として、日本人としては確かにそんなに「観光」気分で訪れる場所ではないかもしれない。でも、少なくとも、韓国の人たちの心の中には、ここで展示されているようなことをベースにした日本に対する知識があるのだ。相手のことを、もっと知りたいと思うのであれば、得るものの多い記念館であると思う。
posted by S.A at 00:00| Comment(0) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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