2005年05月23日

サーモインナーを自宅で調理?

先日の針ノ木の山行で、右のかかとが靴擦れしそうになった。
また、最近左のくるぶしが当たるのも結構気になるようになった。

このブーツ(ガルモント シナジー)は昨年の5月から使っている。熱成型インナー(ガルモントではG-Fitインナー、スカルパではプラスフィットインナーなどメーカーごとに名称は違う。)は自宅のオーブンで成型したが、すこぶる快調でこれまで靴擦れとは無縁だった。
ただ、1シーズンちょっと使って、インナーの型が多少崩れることもあるのかもしれない。
靴擦れの場所の記憶が鮮明なうちに、再成型を試みることにした。

なぜ、自分でやるかって?
それは、以前に別のブーツで大阪のとあるショップで成型してもらったブーツのできが最低だったから。
そのときのショップのやりかたは、まず、ドライヤーでブーツの入り口から熱風をブォ〜と吹き付ける。
十分あったまったところで、足を入れ、バックルをしめ、そのまま店内を10分ほど散歩して終了、というもの。続きを読めばわかるがこれではぜんぜんダメ。
実際、フィット感の向上はほとんどなかったし、一部分にのみ熱風を当てすぎて、内張りの一部が溶けかかっていた。金返せものである。
webなどで情報を探すと、
・加熱にドライヤーを使っているところ
・成型時に歩き回らせるところ
は結構あるらしい。そのようなショップはダメな可能性が高い。

自分でやるにあたって、Webサイトを中心にいろいろ情報を探してみた。
日本のサイトではあまり有用な情報は得られなかったが、海外のサイトでいくつか詳細な成型法を説明しているところを見つけた。今回使用した情報はhttp://www.telemark-pyrenees.com/shop/article_info.php?articles_id=3

確かにリスクはあるけれど(僕も昔ちょっと焦がした…)、正しくやれば全然難しいことはなく、また好みに応じた細かいクリアランス調整ができる(きちんとしたショップなら、やってくれると思うけどね)など、メリットはそれなりにある。何より、自宅のオーブンでできるのでタダだ。

では、上記のサイトで紹介している手順に従って、ブーツを成型してみよう。

まず加熱だ。
「インナーを加熱するベストの方法はオーブンだ。ヘアードライヤーは加熱が不均一になりやすくよくない」
とのこと。 加熱の手順は以下の通り。

  1. 通常のオーブンの場合、135℃〜175℃にプレヒートする
  2. その後、インナーをオーブンに入れ、温度を20度下げる。(焦がさないためだという)
  3. 6分〜10分加熱し、プラスチックの匂いがしてインナーが十分柔らかくなったら準備OK
  4. インナーをトーストしてしまわないために、5分を越えたら毎分状態をチェックすること。

なお、「熱が循環して、より均一な過熱が可能な対流式オーブンがより優れている」そうである。そのばあい、135℃で10分でOKで、焦がす心配もなく安心だそうな。

thermo1.jpg
僕の場合は、間を取って160℃に熱し、20℃下げる意味が今ひとつわからないのだが、素直に従うことにして140℃に下げてオーブンに放り込んだ。また、僕なりのアレンジとして、放射が直接あたらないよう全体をホットクッキングペーパーで包み、さらにペーパーをホッチキスでとめてインナーがオーブンの中で広がらないようにした。これは前回焦がしたことの教訓(笑)。広がるとすぐヒーターに接触してしまうような小さなオーブンで加熱する場合は、是非こうすることを勧める。

thermo2.jpg
7分ほど熱したところで、やや膨らんだ感じでグニャグニャになった。もういいだろうと取り出す。加熱中に、若干プラスチックがこげるようなにおいがするが、本当に焦げていない限りは気にしなくて良い。さあ、成型だ。

成型の手順は以下の通り。

  1. インナーをシェルに挿入する。その際、ボール紙などを靴ベラのように使用すると、インナーを手で触れることを最小限にできてよい。
  2. 中敷き等、ブーツと一緒に使用するものを中に入れる。
  3. ソックスは薄手のものを使用する。厚い靴下でフィット感をごまかすのは昔の話。
  4. 足を入れ、バックルを適度にしめる。この際、バックル締めすぎないこと。
  5. そのまま、立つこと12分〜15分でOK。

ただ、ボール紙作戦は実際やってみるとあんまりうまくいかないので省略。
この過程で、重要な注意事項が2点ほどある。
一つはつま先周りの空間のこと。
通常、ショップで成型をお願いすると(まともなショップなら)つま先周りに指を動かせる空間を作るためのトゥーキャップをかぶせられる。これは使わなくなったソックスのつま先部分を切り取って代用品とすればよい。また、もっとつま先周りに空間を作りたい場合は、3mm厚くらいのフォームを親指とひとさし指の間にはさむとよいということで、家にあったウェットスーツの補修用生地をはさんだ。
thermo3.jpg
このようにちょっと空間の欲しい部分に何かをはさむことで、クリアランスの調整はわりと自由にできる。僕はもちろん、あたって痛かったくるぶしに切り取ったパッドを貼り付けた。

もう一点は、前傾のことである。
よりよいダウンヒルコントロールのためには、成型の際に軽い前傾姿勢をつけておくのがよいらしい。簡単なのは、10度〜15度くらいの斜面を作って、そこにつま先上がりの状態で立って成型する方法だ。なお、斜面に立つことによって、前傾姿勢がプリセットされるだけでなく、足がブーツの中でかかと側に寄った状態で固定されるというもうひとつのメリットもある。
もし前傾姿勢にはしたくない場合でも、足を入れてバックルをしめたらすぐに、かかとを壁などにコツコツとぶつけて「足がかかとに寄った状態」で成型することは重要なのだそうな。
thermo4.jpg
僕なりのアレンジとして、前回微動だにせずに固めてしまってちょっと足首周りがタイトになってしまったので、今回は関節を軽く動かしながら、冷えるのを待った。

で、完成。
足首やくるぶし周りのちょっとあたると感じていたところが具合が良くなった感じだ。実際の成果は…今期試せるかな〜?

補足記事、書きました

※このページを見て、インナーの成型に挑戦して失敗したとしても、当方では一切の責任は負いません。自己責任の精神でお願いします。しっかりした技術を持ったショップに依頼するのが一番確実な方法であることは言うまでもありません。
posted by S.A at 00:27| Comment(6) | TrackBack(0) | DIY | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして!
サーモインナーを新古で購入したんですけど
自宅での成型をしたくて調べていたら
ココへたどり着きました!
事細かく説明してあったので
上手く成型する事ができました。(^^)
クッキングシートを使用するのは正解でした!
本当にありがとうございました。
Posted by チビチビ at 2006年01月03日 21:00
だいぶ前に書いた記事だけど、こうして読んで役立ててくれる方がいると、うれしいですね!
Posted by 野遊び人 at 2006年01月05日 23:19
参考になりました。オークションで安く売っているディーラックスのスノーボードのソフトブーツで試したいと思います。結果また報告します。
Posted by at 2006年01月28日 20:26
http://nature-player.seesaa.net/article/3991703.html
こちらの補足記事も、読んでいただいたほうがよいと思います。うまく行くといいですね。
Posted by 野遊び人 at 2006年01月30日 21:04
このページを見て自分で形成してみました。
サーモインナーの仕組みを知らずにドライヤーで乾かしていたら・・  ギャー!!  形成に結構古いブーツだったのでお店に持っていくのも恥ずかしくて自分でやってみました・・ 
英語の文章は読めず、適当にこちらの説明にあるとおりにオーブンでやったら意外と簡単にできました! (まだ使ってないので本当にフィットしているかはわかりませんが・・)  あんなにブヨブヨに膨らむのもびっくりでした!  

勝手ながら補足させていただきます!
オーブンの状態によりますが、私の場合150度までオーブン内を温めてそこにインナーをぶち込み、
2分焼き(この時インナーがブクブク太っていきました)そして2分したら逆向きに変えてまた2分、その後は1分単位でチョコチョコ向きを変えてブヨブヨにしました。
その後、ブーツ本体にインナーをぶち込み、足を入れて紐をギューって結び!!その後、家の中を2分ほどチョコマカ・・  疲れたので椅子に座って暫く・・  はい完成!

ん?なんかしっかり出来てる!! 簡単じゃーん!!って、ここのページに出会えたからか(笑

野遊び人ありがとうございました。
Posted by ジョウジ at 2006年11月12日 22:27
情報ありがとうございます。向きを変えて行くのは、なるほどよさそうですね。
このとき使ったうちのオーブンは、インナー片足入れるのがぎりぎりで、動かすことができなかったのですが。思った以上にインナー膨らみますよね〜

できるだけ大きなオーブンを使いたいところです。

今の我が家のオーブンはだいぶ大きくなったけど…これで焼いたら怒られそう(^^;
Posted by 野遊び人 at 2006年11月13日 20:15
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