2007年02月12日

タムロン アダプトール2(PENTAX KA用)プチ改造

レンズメーカーとして有名なタムロンは、かつてMF(マニュアルフォーカス)が中心の時代、「アダプトール2」という画期的な交換式のマウントを販売していた。マウント部分だけ変えれば、ひとつのレンズをあらゆるマウントで使いまわすことができた。
もっとも、AF化してからはさすがにこれも不可能になったようで、最近アダプトールも製造中止になったと聞く。

hasu.jpg
僕の手元にはだいぶ昔に買ったSP90mm F2.8と、SP180mm F2.5の2本のタムロンのアダプトール2が付いたマニュアルフォーカスレンズがあり、どちらもお気に入り、これからもずっと使い続けたいレンズである。

しかし、どちらのレンズのアダプトール2もK100d(というかKAFマウントと)の相性が悪い。
アダプトール2はKAマウント相当の機能があって、すべての露出モードと絞り値の表示がK100Dでも行えるはずなのだが、

2007_0212before.jpg
・上の画像のように絞りをA位置にしてもファインダーの絞り値がF--のまま
・でも絞り優先モードでダイヤルを動かすと、シャッタースピードが連動しては変化する。
・Exifデータには、それらしい絞り値が表示されている。
・撮影結果は絞り開放の時のみかなり露出オーバー(調べてみたら、1段露出オーバーであった)になる。しかし、ちょっとでも絞り込めば正しい露出になる。
という、かなり使いにくい状況だ。
そういえば…
MZ-3で使っていた時も、絞り値、表示されていなかったな。でも、あのカメラの時は、普通に絞りを動かして開放測光できていたから、問題はなかったのだけど。

マウントをはずして、接点掃除などをしてみたがダメ。ネット上で調べてみると、結構良くある問題のようだが「相性」として片付けられているらしく、「解決した」という情報がなかなかない。そのうちに、こんな情報に行き当たった。

2007_0212mount_screw.jpg
どうも、このねじの部分が微妙にマウント面よりわずかにへこんでいて、その部分の本体側接点と導通しなくなっていることが原因のようだ。問題のない個体があるらしいので、微妙な寸法公差によって相性が生じていると思われる。

ねじの長さという機械的なものが問題ならバラして直せるはず。そこでプチ改造開始!
(こっから先の作業は、それなりに手先の器用さが必要である。失敗しても自己責任で!あんまり詳細には書いていないけど、この説明を見て、実際の部品を見ながら手の出し方を判断できないなら、やめたほうがいいと思う。)

2007_0212side_screw.jpg
周囲を止めているねじが、何本もあるが、このうち一回り小さい4本が遮光と、機構の保護を兼ねているようなリングを止めているので、まずこれをはずす。

2007_0212three_screw.jpg
次に、この3本のねじが、アダプトール2のマウントとでも言うべき部分と、レンズ側マウント部分を止め付けている。これを外す。

この2つは完全には分離しない。導線でつながっているからだ(あわてて分離しようとして切断しないように!)。上の画像の小さな基盤のような部品を外せば、完全に分離できそうであったが、基盤部分は接着してあったため、断念。そこで、2つの部品をずらしてみた。このとき、絞りのA位置をロックしている小さなボタンが飛び出すので注意!

目的のねじの部分は、この2つの部品の間に挟まっている半円弧上のプレート(手動絞りのポジションを伝達する部品のようだ)に隠れているので、取り外し。

2007_0212adaptoll_washer.jpg
目的のネジの頭が見えた。
ちょうどワッシャーが挟まっているので、これを外せばいいかな?と外してみたら、どうやら2枚のワッシャをはさんでいる様子。1枚除いてみたところ、ちょうどマウント面からごくわずかにネジの尻が突き出た状態になった。

2007_0212after.jpg
再び組み立てたところ。見事Aポジションで絞りが表示されるようになった。

さて、ここで再び試写してみると…こんどは開放で1/3〜2/3ほど他の絞りよりアンダーになることがわかった。
これはどうも、絞りの連動機構に問題があるようだ。90mm F2.8のレンズだと、自動絞りではF2.8→F3.2では絞りは動かず、F3.5になってようやくちょっと動き出す。この部分がリニアになっていないために、開放時だけ若干明るく写るようだ。これは何とかならないか。

2007_0212inner_mechanism.jpg
再び先の画像に戻る。
画像中の、A1、A2のネジの部分が若干細長い穴になっているがこの部品を少し穴に沿ってずらすことで本体側の絞込みレバーの動きに対して、実際の絞りが始まるタイミングを微調整できるようだ。ネジ穴の左端(画像で左上)に寄せた状態で固定すると、もっとも絞込みが早く始まるのであるが、このアダプトール2はすでに端になっており、これ以上の調整はできなかった。やすりで軽く穴を広げてやれば完全に調整ができそうだが、今回はここでギブアップ。開放時は、若干露出が暗めなことと、表示している値より、実際の絞込み量はわずかに少ないことを頭に入れておけば、まあ問題ないだろう。

いじくっているうちにいろいろとわかってきた。たとえば、Bの基盤の部分は、レンズ本体側の切り欠き位置と連動して、レンズの開放絞り値を本体に伝える役割をしているようだ。この部分の接点が非常に弱い部品でうっかり引っ掛けたりして曲げやすいのであるが、ここを変形させるとレンズの開放絞り値がおかしくなるので気をつけよう。

全体的な感想だが、アダプトール2はカメラがアナログの時代の実に精巧な製品だ。しかし、アナログ的な情報伝達を多用しているために、組み立て調整や製品のばらつきをなくすのはかなり大変だったろうなと思う。昔のカメラをバラすのって、こんな感じなのかな?それと同時に感じたのは、同様にアナログ的機構に頼っているKAFマウントの限界(ニコンも苦労しているよね)。EOSの完全電子マウントってのは確かに先見の明があったのだなあと思う。
posted by S.A at 20:47| Comment(3) | TrackBack(0) | 写真・カメラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして
先日、中古で入手したKAマウントアダプターをカメラ(K10D、ist-DS)に装着したとき
そちらと同じ現象が出た為、解決策が無いかと探していたらここを見つけ
無事、Aポジションで絞り表示が出る様になりました
情報提供ありがとうございます。

こちらで発生した状態だと、フィルムカメラ(Z-1、MZ-30)では正常表示され、デジカメだけ
絞り表示が不良でした。
又、問題のピン位置にあるネジが私の入手したマウントでは
反対にほんの僅かですが出っ張っている様でしたので、
私の取った対策は飛び出しているネジ部分を少し削って解決しました。
Posted by せいじん at 2008年03月07日 00:28
せいじんさん、はじめまして

こんなマニアックな記事ですが、お役に立てたようでうれしいです。
せいじんさんの場合は微妙に突き出たのが問題だったのですか。
Posted by 野遊び人 at 2008年03月12日 00:49
野遊び人様、こんばんは。

実は私も同様な症状が出ていました。
KAマウントを2個所持しているのですが、1個は正常なのにもう1個はダメ。
Z−1ではどちらも正常なので???状態だったのですが、こちらの情報を参考にして無事解決しました。
私の場合は、1個が僅かに出ていて正常。もう1つが引っ込んでいて接触不良でした。
が、中の3個のネジが硬くて緩まない・・・
ネジをなめてしまうと元も子もないので、ちょっと乱暴な手段を取りました。
凹んでいるのなら埋めればイイ・・・半田で・・・
ということで、僅かに半田を盛ってリューターで削り調整・・・無事にAポジションが使えるようになりました。が、あまりお勧めできない解決方法でしょうね。

ちなみに対象のデジカメはK100Dです。
Posted by M42沼 at 2008年11月19日 21:46
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。