行き先は台高のツキ谷。池原ダムに直接注ぐ谷で、100m級の千尋滝をはじめとする、見事な滝場を持つ谷だということだ。
池原ダム沿いの国道425号を走る。ツキ谷の入渓点はとてもわかりやすい。備後橋を越えて暫くすると見えてくる、ダム湖に向かって30mくらいはありそうな立派な滝を注いでいる谷がそれだ。
入渓して暫くは、美しいが平凡な渓相だ。ほんの10分程度歩いたところで谷は大きく左に曲がり…

眼前に見事な滝が広がった。千尋滝だ。
高さ、水量、形どれをとっても、大峰・台高エリアの中では屈指の大滝ではないかと思う。僕が今まで見た中でも、5指には入れられそうだ。
今回はこの滝は偵察のみで、巻いて登ろう、ということにしていたが、眺めているうちに下部のみとりあえず登ってみて、途中から横に逃げて巻こうか、ということになった。
まずは、溝状の部分を登り、ちょっとしたテラスへ。ここでいったんピッチを切って、左上して樹林帯に逃げたかったのであるが、下から見たより悪そう。しかも、このテラスはプロテクションがほとんど取れず、ビレイ点にするのは難しそうだ。

右上方に一本ボルトが見えたので、とりあえずそこまで登って、ハーケンを打ち足しビレイ点とし、2人目でPINEさんが上がってくるのを待つ。そこで話し合った結果。やはり5人でロープ2本、ハーケンも3枚しかない状態でここを登るの無理、降りよう、ということになった。
それにしても、ロープワークは久しぶりにやると体が全然覚えていない(>_<)
今回はうかつにもATC-XPを落としてしまい(手順を手抜きしたのが原因)だいぶ以前に練習して以来のカラビナ懸垂で降りる羽目になった。
この時点で9時(笑)過ぎ。まあ、行けるところまで行きましょうかと千尋滝の巻きにかかった。

この巻き道も結構悪い、一か所ワンポイントでロープを出し、最後のヤバげな落ち口へのトラバースではロープをフィックスししっかり安全を確保して行った。1時間半ほどこの滝の巻きにかかった。
大滝上は見事な渓相だ。谷全体が一枚岩から削りだされたような感じで、そこに10〜20m級の滝が連続する。どれも泳げそうな大きな釜を持ち登り応えがあるがおおむね直登が可能だ。

まずはこの斜瀑。途中で左に屈曲し、20mくらいあるかな?斜度はゆるいが、水線際は水量が厳しそう。左手の藪から下部をやり過ごし、上部は補助ロープを出して側壁を登った。

続く滝。右手の部分が斜度がゆるく、ロープを出して直登。

滝と滝の間はこんな庭園のような風景があったり、

こんな廊下があったり、飽きさせられることがない。

この幅広の滝も見事。PINEさんがブッシュを絡めつつ、水線右を直登。セカンド以降のメンバーは、もっと水線近くをシャワークライミングさせてもらった。
それにしても、今回はシューズの選択に失敗。ゴルジュっぽいところなので、ステルス向きかな〜とラバーソールで来たのだが、沢全体的にぬめりが強く、かなり滑った。ここはフェルトソールのほうが良かったなあ。
足回りが不安だと、なかなか積極的に登れない。今回は千尋滝の試登以外は、ルート工作は全部PINEさんにやっていただいた。ベテランのアルパインクライマーらしい芯の強さを感じる登りはさすがであった。
ここを過ぎるとしばらく滝場はおしまい。河原のような渓相になり、つり橋が横切ったり、植林が下りてきていたりと人工的なものが目に付くようになる。
左手からの大きな支流を見て、そろそろ川原歩きに飽きてきたころ、ふたたび滝場が現れた。

手始めは、この滝のへつり。これがなかなか面白いへつりなのだが、みんなが1発でクリアする中、足元ツルツルの僕のみ、2度もドボン。く、くやしい…
その後の滝は簡単にこなして、ふたたび河原に。左に植林小屋があるところで、時間も13時半近かったので遡行を打ち切ることにした
ここからは、左手の尾根に取り付き926ピークまで登る。途中山仕事の踏み跡が縦横に走っているので、利用できるところは利用しつつ惑わされないようにする必要がある。
926ピークまで来たら、林業用のモノレールがピークまで達していた。モノレールはほぼ地図上の登山道にそってついており、そこからの下山は容易であった。15:30下山。
巻きでごま塩さんが写っている所登ろうと思いましたが、落ちたら大きく落ちそうで、左2メートル位の所登りました・・・・根性が無いんでしょうね。
足元不安定では苦労しますね。
巻きで、この部分が一番怖かったです(>_<)
この、大滝はこれ単体で一度登りに行こうと思っています。りんごさんもいかがですか。