2008年06月02日

黒部源流1周スキー2日目 黒部最奥の山々へ

2日目。

本日は黒部源流部の最奥に位置する三俣蓮華岳、祖父岳の二山を滑降し、高天原、雲ノ平の名所を訪れる。ただし、500m程度の登りも3回あって、やはり長丁場だ。

出発は6:30。雪面はすでに緩んでおり、昨晩は氷点下にはならなかったようだ。

まずは三俣蓮華への登り。はじめは大きな斜面を登り、途中からは尾根ルートになる。黒部五郎側から見ると、尾根を境に南はすでに雪はなく、北側はまだ雪たっぷり。尾根上は細く残っているだけなので、ジグを切って登れない斜度だと結構厄介だ。
実際行ってみると、尾根は十分直登可能な斜度。結局山頂まで、2回ワンポイントでスキーを外した以外はシールのみで登ることができた。

20080602MitsumataRenge.jpg
それにしても、三俣蓮華岳は目的の北東面だけでなく、どの方向に滑ってもよさそうなスキー向きの山だ。

20080602Yari.jpg
稜線に達すると、槍ヶ岳が。どちらを向いても山また山。

20080602NEFace_Mitu.jpg
山頂には8:17到着。北東面側を覗き込むと、山頂直下の岩の間を抜けるルンゼから、エントリーができそうだ。斜度はそれほどでもないので、ここからいくか。北東面は、結構ぼこぼこと凹凸のある地形で、一枚バーンではない。
出だしの急斜面を慎重にこなせば、後は快適な中斜面が続く。斜度に変化があって、面白い斜面だ。

20080602NEFace2.jpg
北東面全容。山頂から直接落ちる、岩の間のルンゼにエントリーした。安全ルートを取るなら、この画像から見えない岩の東側からエントリーすればよい。
あっという間に、標高差500mを下ってボトム到着。プチ黒部横断をして、岩苔乗越への登りに取り付いた。

南向きの谷だが、幸い雪はたっぷり付いている。ただ、祖父岳側の雪庇から落ちてきた巨大なブロックが時々転がっているので、念のため右寄りに進路をとる。
当初は岩苔乗越を経由するかと思っていたが、祖父岳山頂を過ぎたあたりから雪庇が切れていそうだったので、そのまま祖父岳方面に登ることにした。だいぶ時間短縮になったかな。

20080602sofu.jpg
祖父岳山頂は、すでに雪がない。なだらかで、やたらとケルンだらけである。
さて、時間がなければ、ここから直接雲ノ平に行こうかと思っていたが、まだ10時。気になる岩苔小谷は…とりあえず見える範囲は割れていないようだ。ならば予定通り、北面を滑って、高天原に向かってみるか。

20080602NF_sofu.jpg
地図を見ただけで、これは絶対イイ斜面に違いないと踏んでいた祖父岳北面、やはり絶好のゲレンデであった。快適斜面を文字通り独り占め。この祖父岳北面が、今回のツアーのベストの1本だったと思う。

20080602kotani.jpg
問題はここから。ほんとに高天原まで雪がつながっているかだ。
少し滑ると…やはり雪割れは始まっていた。ただ、何とか割れているところも側面は通過可能であった。

やがて、谷が完全に割れているところに来た。目指すは高天原なので、右岸をたどる。川沿いは結構アップダウンがあって、すんなりとは滑って行けない。
夏道に合流するはず、と思う少し手前で結構な勢いで流れる、地図にない小川に阻まれた。ハテ?と不思議に思うも、高天原は右手のはずなので、とりあえず右手のほうへ。そこで合点がいった。

20080602takamagahara.jpg
高天原に点在する湿地に流れ込む、流れ出す小川があちこちに走っているのだ。
小川のスノーブリッジを拾いつつ、夏道があると思われるあたりまで出てみた
。あれ、まったく夏道の痕跡なし。高天原山荘ってまだ営業していないのね(←調べて行けよ)
とすると、当然、岩苔小谷を渡る部分もただの渡渉だよなあ。完全に谷が割れてから、結構な距離を下ってきたことを思い出す。高天原ではのんびりして、あわよくば温泉、などと思っていたが、あんまり悠長にしている時間はないぞ。
この場所は水が得やすいので、とりあえず今日もラーメンで昼食。谷割れが始まった地点まで上り返さなくてはならないので、さっさと出発することにした。

距離にして1kmほど上り返し、今度は左岸側を下る。うーん、高天原へは何しにいったんだか。

ここから、雲ノ平までは結構ルートファインディングが難しい。夏道沿いに行くのは無難かもしれないが、尾根上でスキーが使えるだろうか。
少し進むと、高天原峠に向かって登る手前で左側の斜面がやけに樹林が開けている。昔の雪崩の跡だろうか。地図で確認すると、どうやら雲ノ平の手前の平らな場所に直接登りつめそうなので、このルートを取ることにした。

20080602ToKumnodaira.jpg
この斜面、大きくジグザグに登れるので、スキーには絶好だ。逆に雲ノ平から高天原に下る場合も、快適に行けるだろう。

本日3回目の登りはさすがにしんどい。だいぶへろへろになって、14時に雲ノ平に到着。
雲ノ平は、ぜひ訪れてみたかった場所であったが、庭園の趣はないただの雪原。ここは無雪期のほうがよかったかなあ。

20080602GoroFromKumonodaira.jpg
ここから見る、黒部五郎岳は独特の山容だ。さながら、ゴローさんが、秘密の場所(=黒部五郎のカール)を両手で隠しているかのように見える。黒部五郎のカールって、すごく限られた場所からしか、全容が見えないのだ

雲ノ平の末端まで、ゆるい斜面を何とかスキーを走らせていくが、滑りとしては全然面白くない。

20080602Gekikudari.jpg
そして、最後の薬師沢小屋に向かっての激下り。密な針葉樹林と、ツリーホールででこぼこの斜面。スキーはかなり厳しそうだ。とりあえずスキーを履いたままトライしてみるも、あっさりトップがギャップに刺さって、ツリーホールにカップイン。こんなところでの怪我は絶対に避けなければならないので、おとなしくスキーを担いでアイゼン下降に切り替えることにした。

この斜面、明瞭な地形がないので、現在地把握が難しい。しかも、ピンポイントで吊橋に降りないと、なかなか厳しいことになるだろうことは想像に難くない。こんなときは地図入りGPSは実に心強い。

順調に高度を下げ、吊橋のすぐ下流あたりに下りることができた。が、最後が予想以上に厳しい。黒部川に下りる最後のところはほとんど崖。仮に降りたとしても、吊橋までの30mの間は、傾斜のきついほとんど滝のような沢と、崩壊寸前の雪渓が連続している。吊橋の直上も雪壁が続き、上り返して上から行くのもかなり厳しい感じ。本日のゴールを目前にして、最大のピンチを迎えてしまった。

行くしかない。崖の低くなっているところを見つけて、クライムダウン、そのままアイゼンをつけたまま沢をトラバースする。ああ、クライミングも沢登りもやってて良かった(?)
その先は、雪壁。はしごが見えたので、コンドルのピックを出してそこに向かって登ってみたが、どうやらそのまま登っていくためのはしごの様で、目の前の急峻な沢をどうしても越えられそうになくつり橋には近づけない。これはもはや川原に下りるしかない。何とかクライムダウンして、降りれる場所を見つけて川原へ。

20080602turibashi.jpg
アスレチックはまだまだ続く。沢を超えて、崩壊したスノーブロックの隙間を登って、前方の岩を鎖を手がかりにボルトの頭に乗って超える。最後の一段と急な雪壁を数メートルトラバースして、ようやく吊橋へ続くはしごをつかむことができた。あーヤバかった。
このルート、積雪期はとてもお勧めはできないな。のぼりで使う分には、まだましだろうが。

薬師沢小屋手前の川原で、しばし放心。しかし、ここでだいぶ時間を食ってすでに16:00を回っている。今夜の宿を早く決めなくては。

20080602Zelt.jpg
小屋周辺はまともな平地がないので、夏道沿いに少し登ってみると良い感じのフラットな場所が見つかった。雪洞を掘るにはちょっと雪不足だし、気温もおそらく氷点下にはならないだろうから、雪洞のほうが暖かいということもない。
ということで今夜の宿はこのツェルトとした

黒部五郎小屋--三俣蓮華岳--祖父岳--高天原--
6:308:1710:0511:05
雲ノ平--薬師沢小屋--ビバーク地点
14:0016:1516:40

posted by S.A at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | テレマーク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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