このような事故が起こると、必ず責任問題とか、山に入るべきでなかったのでは、といった議論が巻き起こる。
実際、雪崩事故は「こんな日に、こんなところに入るか?」というのが多いのも事実だ。
でも…今回の事故の状況を新聞などで見れば見るほど、「これは予測できないだろうなあ」と思ってしまう。
何しろ、斜度が20度程度の緩斜面で、樹林帯だという。
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070215130421.asp
「今日はヤバイかも」という認識がたとえあったとしても、バックカントリーをやる人の99%くらいまでは「ここは大丈夫だろう」と滑り込んでしまうのではないだろうか。
調査の結果によると、雪崩の原因は深さ40cm程度のところにあったしもざらめ雪の弱層のようだ。
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070215220951.asp
確かにピットを掘れば、見つけることはできただろう。(八甲田のガイドツアーは、以前参加したとき、行動中のピットチェックはしていなかった。)でも、斜度20度くらいの樹林帯のルートといったら、一般的な山域ならば「やばいから安全ルートを取ろう」、と選択しそうなルートだよね。
実際、ガイドの人も「危険性を考慮し、この日は通常のコースをやめ、樹林帯のある下方のルートに変えた」というのだから
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070215-00000020-maip-soci
この雪崩は、いざ雪崩れたら樹林帯は非常に恐ろしいということも見せつけた。死因は埋没による窒息ではなく、木に激突したことによる外傷だという。バックカントリーでは、やっぱりヘルメットかぶろうかな…
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070215-00000000-maip-soci
今回の雪崩から教訓を得るというのはなかなか難しそうだ。この雪崩くらいの確立で起こる雪崩を避けようと思ったら、それこそ冬山で行動できる時はほとんどなくなるのではないだろうか。不運、として片付けるしかないのかもしれない。うーん。
犠牲なった方々のご冥福を心からお祈りします。